About the Tenkara category

A place to talk about anything tenkara related! If you happen to talk about hybrid tenkara forms of fishing here, that’s okay too.

田舎の毛鉤釣りの話

私がまだ魚篭持ちの頃の昔の話です
その夜のお客さんの予定が分かる頃ですから遅いと昼前位
「お客さんに出すから20本の岩魚を持ってきて。」と頼まれます
生の魚を持ち帰るのですからテンポの速い釣りとなると毛鉤釣りしかありません
いつも同じ川ですから何処に岩魚が居るか判ります
頼まれた数を揃えるためには何処からどこまで釣れば良いかも判ります
狩猟では無く収穫とお話したのはその事です
岩魚釣りも畑に大根を抜きに行くのと同じ感覚でした
粘れば同じ場所で釣れるかもしれませんが
それより岩魚の附き場所を早く回った方が数を揃えるには早いです
それは出る魚を拾うという事です
釣っても附き場は岩魚の場合決まっているので翌日にでも釣れます
場を荒らさないためにも同じ場所で粘りません
「岩魚は川の蛆」と言うのは馬鹿にした言い方では無くそれだけ豊富という事です
岩魚の大きさも決まっています
皿付けと言って焼魚用の皿の大きさが決まっています
それに合わせますからだいたい26~27㎝の魚で丁度よい大きさです
夕食用の魚ですから届る時間も4時半位までで決まっています
頼む方も無駄にはしたくないので正確な数を揃える必要が有ります
頼まれるというよりは任せるという感覚でした
釣っていると尺と言いまして33㎝以上の魚も出てきますが
却ってゆっくり出てきますので竿を上げて相手をしません
味から言うと25㎝程度が一番美味しいと思いますが
焼いたら小さくなりますのでやはり27㎝を拾い釣りになります
中には50本釣ったと言う腕自慢もいますが却って
仲間内からは相手にされません
いつも同じ石の上を渡りますから釣る速さは小走り程度です
いつも竿を振りながらですから長いラインでも邪魔にはなりません
慣れると一定のリズムで川を動けます
リズムが崩れると怪我をし易くなりますから道具は変えません
毛鉤もその場で変える事はしないので丈夫さが一番大事です
そんな私でも太刀打ちできない方が何人も居ました
とにかく川を飛ぶように釣って行きます
中には春の根曲がり竹から山菜、秋のキノコまで山相手だけで暮らす人もいました
地域と時代によって変わるでしょうが職漁師のテンカラ釣りはそんなものです
テンカラとは言わず毛釣りとか毛鉤釣と言っていました

後日談も有りますがまたの機会に
g-翻訳でそのまま翻訳できるような平文にしてみましたが上手く伝わる様祈ります

隠し沢(kakusizawa)

たまに条件が悪く頼まれた岩魚の数が揃わないときは
受け継がれた隠し沢に数を揃えにいきます
私設の養魚場の様なもので
魚止め(uodome)の上に有る薮沢がほとんどです
中には下側が伏流水の様に流れが岩の下を流れ枯れ沢に見える場所も有ります
その様な沢はその上に深いプールが有りますので岩魚が自然に増えていきます
昔は村の生活が運命共同体の様なものですから
たとえその場所が知られていても他の人が釣ることはありませんでした

岩魚が山を登る・・・・人為的に上流部へ岩魚を移植しました

田圃で言えば隠し田(kakusida)と同じです
公の田だけでは生活できないので見つからない場所を開墾し稲の生産をしました
皆知ってはいますが生活共同体の一員として公には喋りません

もう少し大きな話ですと
沢割り(sawawari)が有ります
山は個人所有を含め山の管理は村がしていましたのでそこを流れる沢もその村の管理です
その川でもここからここは誰某の場所として守られています

岩魚釣りの道

岩魚は渓流部では無く多くが山岳地帯の急峻な渓に生きています
そんな場所に釣りに行く場合は昔からの道が有りました
これも代々伝わる道で入口は判らないようになっています
春の山菜から秋のキノコまで山々は村人に利用されてきていましたから
ゼンマイ・ネマガリ・マイタケを取りに行く道があるように岩魚釣り用も有ります
岩魚釣りは限られた人がする事でしたので多くの人は知り得ません
そんな道でもブーツでは無いウェーデングシューズの様な底の柔らかい靴なら感じ取れます
人が代々歩いてきた道は姿が見えなくても其処だけ固さが足裏で感じられます

魚篭持ち(biku-moti)

一般的には釣りの見習いの事ですがそれだけでは有りません
本から知識を得るそんな本も有りませんので
興味が有ったら近所の爺様に教えてもらいます
それを魚篭持ち(bikumoti)と言います
山への礼儀から始まり仕掛けや毛鉤の事は勿論それ以外の伝承の部分です
車道が整備される前からの話はとても面白い事が沢山あります
すべてが歩きの世界ですからそれなりの工夫もあります
喉が渇いたら「この葉を噛め。」怪我をしたら「この葉を揉んで附ける。」
山道から川へ入る岩魚道も教えて貰います
そこには仲間となるお互いの楽しみが有ります

川への礼儀

日本は八百の神信仰の国ですから山川は勿論木にも石にも神が宿っています
山川は生活の糧を得る場所ですから尚更です
川に対しては流れる水も含め大切な存在です
川の近くで小便をする場合
川に背を向けて心の中で「川の神様、ゴメン、ゴメン、ゴメン。」と唱えます
山の中で何かに背を向ける事は熊で有ってもしませんが
川に対しては爺様に成った今でもその様にしています
そんな小さな事すら昔からの言い伝えです

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